リレーコラム

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わが故郷の川 ブンガワンソロ

トニさん

PDF原稿(ふりがながあります)

初めまして、私はトニ ウィボウォと申します。インドネシアの中部ジャワのスラゲンから来ました。

インドネシアでは多くの有名な川があります。例えばカリマンタンのカプアス川やソマトラノムシ川、ジャワのブンガワンソロ川などです。私は中部スラゲンに住んでいますから、ブンガワンソロという川についてお話ししたいと思います。

ブンガワンソロ川はジャワ島最大の川で、長さは600kmぐらいです。中部ジャワのウオノギリの山からジャワ東部のグレッシクまで続いています。ブンガワンとは「大きい」という意味です。ソロは、この川があるスラカルタ村の古い名前からきています。ブンガワンソロの川の歴史はとても古く、400万年前から流れていたと言われています。私はまだ生まれていませんが。

18世紀にこの川の辺りにマタラムという王朝文化が栄え、その首都がありました。やがてこの王朝が分裂してジョグジャカルタに1つ、ソロに2つの王朝が誕生しました。今でもこの2つの王宮は国の内外からの観光名所になっています。

実は、このブンガワンソロ川の名前がいちやく世界中に知られるようになったのは、ある歌がきっかけでした。それは、1940年にスラカルタのゲサンという歌手が作った「ブンガワンソロ」という曲です。この会場の皆さんの中にもよくご存知の方がいらっしゃるのではないでしょうか。このゲサンのお陰でブンガワンソロは世界中でとても有名になりました。日本では、1948年に日本人の女性の歌手によって初めて歌われ、当時大ヒットしたそうですね。この歌は、昔、山から銀などを採掘し、小舟で都市スラバヤまで運んでいた時の情景を歌ったものです。

ここで、私が少しだけ歌ってご紹介したいと思います。

※【歌詞の日本語訳】
「ソロ川には悠久の歴史があり 太古の昔から人々に
見つめ続けられてきた
乾季になると 水の流れは減り続け 少しの水しか流れず
雨季になると 水ははるか彼方まであふれかえる
ソロを水源とする川の流れよ 流れは幾千もの山を巡って
水は 遥か遠くまで流れいき ついには大海に注がれる
そこに見えるは 小さな舟 遥か昔から商人たちはいつも この小舟に乗って行き来していた」

今はもうこの曲を作ったゲサンは亡くなっていますが、彼はインドネシア人の心の中に今でもずっと生き続けています。今もなお、このブンガワンソロ川は、故郷の多くの農地を潤してくれており、トウモロコシやスイカ、米作りが盛んです。乾期になると水があまりありませんから、川の周りの住民は魚やエビを捕ります。また、牛やヤギを飼っている人々は川で水浴びをさせます。川の周りの子どもたちは泳いで遊びます。私も子どもの頃にはよく友だちといっしょに泳ぎました。本当に楽しい思い出です。私は、これからもこの歌と共にこの故郷の川を大切にしていきたいと思っています。

聴いていただいて、ありがとうございました。

(トニ ウィボウォ(インドネシア))

 

※平成30年12月16日には、丹原にほんごの会の主催による『第19回国際交流スピーチコンテスト』が行われました。
受賞された2名の方々の作品を順次掲載します。
たんばら日本語の会HP http://www.geocities.jp/tbrjpns/index.html

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