リレーコラムRelay column
リレーコラム
愛媛へ・愛媛大学へ
樹底迷楼 画裏の人
金釵 酒を沽る 酔余の春う
鞭糸 車影 悤悤として去り
十里の桜花 十里の塵
この漢詩を読むと、あの桜の大海原が私の脳裏で波を打ちます。
一年間の留学生活は、光陰矢の如くあっという間に終わりました。愛媛での一年間は、私はいままで人生のなかで一番美しい思い出のひとつです。
この一年間に愛媛のいちばんきれいな景色を見ることができました。そして優しい人々に出会いました。私にとってこれらはすべて宝物です。大切に守っていきたいです。
愛媛は、東京や大阪のように大都会ではありませんが、たいへん住みやすくて魅力がある都市です。ここには、坊ちゃんで知られた道後温泉、歴史長い松山城、きれいな瀬戸内海などがあります。さらに、山水画のような世代桃源の風景だけではなく、人々が本当に優しいのです。中国のことが好きで、中国の歴史をよく知り、中日友好のために人生の時間を割いている人々がいるのを、ここに住んで初めて知りました。
魅力的な都市にはいくつか要素があると思います。きれいな景色があって、優しい人々がいて、深い歴史文化があることです。愛媛はこの3つの要素が全て揃っていると思います。
日本の中でも特に環境が良く、人情味の豊かな愛媛との出会いは本当に運命的だと思います。この奇跡に心から感謝したいです。
愛媛大学の先生たちのおかげで、私は中国と日本の間の歴史、文化、政治、文学など、色々なことを学びました。私は将来、日本の歴史と文化にさらに興味を深めて、中日間の架橋になるような、そして中日友好に貢献できる翻訳者になりたいと思っています。
国際連携課のおかげで、私は色々な日本の伝統文化を体験しました。日本の魅力もより深く理解出来ました。国際交流を通じて、自分の日本語を向上させながら、世界のいろいろな国からの留学生と付き合うことができて、とても豊かな留学生活を過ごすことができました。私にとって愛媛は第二の故郷であり、愛媛大学は自分の第二の母校だと思っています。
授業のJサポートの方々のおかげで、私は四国の色々な美しいところを見に行きました。春の桜、夏の海、秋の紅葉、冬の雪、これらの四季の景色は、まるで映画のように私の心の中に残っています。
そしてまた、Jサポートの方々は、私が書いた文章を丁寧に添削してくれ、私はそこからいろいろなことを学びました。彼らはサポーターというよりも、友人です。
留学プログラムのおかげで、日本のビジネスマナーを学び、企業で働く社会人と方々との交流を通じて、自分がこれから社会人になって、日系企業で働く自信が持てました。
ホームステイの家庭のおかげで、日本人のふだんの生活を体験できました。家族と一緒に食事したり、遊んだり、自分も家族の一員になったみたいでした。海外で一人生活している私にとって、家族の温かさに触れるのは、かけがいのないものに感じました。
アルバイト先のお客様のおかげで、私は仕事に自信を持ちました。あるお客様は私にわざわざ感謝状を送ってくださいました。そして、店で私に会ったとき、いつもハイタッチしてくれました。このおじさんは「エビンさんのファンクラブ代表としてずっと応援します」って言ってくれ、私はこの温かい言葉に感動しました。
道に迷った時、全然知らない人でも熱心に道案内してくださったり、雨の日バスを降りる時、運転手さんが(お客様が濡れないように)ドアの側で傘を持ってあげたり、知らない人でも擦れ合うとやさしく挨拶したり、色々な小さなことが、一つ一つ私の心を温めました。
愛媛で出会った人々一人一人に感謝したいです。一草一木にも感謝したいです。愛媛で本当に楽しい生活を過ごしました。私は、まもなく母国に帰るので、少し寂しい気持ちになっています。
「夢に見て 母国を離れ 伊予の地へ 澄みたる人情 心に染みる」この短歌は、私のいまの気持ちです。1年間の滞在は短かすぎ、もっと色々なことを体験したかったですが、それでも、ここで過ごした日々のいい思い出は一生忘れがたいものになりました。
最後に、愛媛、愛媛大学と私の出会いは、単なる偶然ではなく“縁”だったと思います。今回の留学のチャンスを与えてくれた浙江工商大学と愛媛大学に心から感謝したいです。そしてこの大学間の交流がますます緊密になり、盛んになるようにお祈りいたします。
私は大橋卓弥の「ありとう」という歌を結び付けたいと思います。「優しい言葉 ぬくもり その笑顔 ずっと覚えてるよ そして忘れないよ 今 心からありがとう」今回の留学は一期一会ではありません。近い将来、私はきっとどこかで皆様と再会を果たすに違いないと思います。
(爱媛大学 法文学部(浙江工商大学 東方語言文化学院) 任慧敏)
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