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リレーコラムRelay column

リレーコラム

音楽と一緒に みんなと一緒に

李さん

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こんにちは。韓国から来ました イ スジン と申します。
私は日本に来る前、韓国で中学、高校の音楽教師をしていました。今日は去年の春の出来事を話したいと思います。

日本に来て4か月頃、私は娘と児童館へ遊びに行きました。そこにあるピアノを弾いていると、一人の女の人が部屋に入って来ました。それで、私はその方のために、韓国ドラマの曲を弾いてあげました。実はその方は、児童館の会長さんでした。会長さんは私に何か話をされましたが、私はまだ日本語がよくわからなかったので、主人に話を聞いてもらうことにしました。

後日、主人と会長さんが話した事は、5月に児童館でピアノ演奏会をしたいので、私にピアノを弾いてもらいたいということでした。私は何もわからず、にこにこしながら二人の話を聞いていました。後で主人から「ピアノ演奏がんばってね。」と言われ とても驚きました。その時、言葉のわからない私の目の前で大事な約束ができていたのです。韓国のことわざに「目をあけて鼻を切られる」というのがあります。日本語で「まんまとしてやられた」でしょうか。まさにそんな気分でした。

演奏会は無事に終わりました。言葉がわからなくても、みんなが一緒になれる時間がありました。私にもみなさんのためにできる事があり、うれしい気持ちになりました。
最後に、これから帰国するまでの間、家族と一緒に優しい町の人たちと大切な思い出をたくさん作りたいと思っています。

(李 受津(韓国))

 

※平成30年7月8日には、にいはま日本語の会の主催による『日本語学習者による第16回日本語スピーチコンテスト』が行われました。
受賞された4名の方々の作品を順次掲載します。なお、李さんは初級B部門の1位に選ばれました。

 

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