リレーコラム

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カリグラフィーワークショップを通して

ジョンヒさんの原稿をハングルで読みたい方はこちら(PDF)

こんにちは。私は韓国でカリグラフィー作家と工芸指導(LED電球を使ったフラワーデザインやリサイクル靴下の工芸など)をしているファン・ジョンヒと申します。大田(テジョン)広域市に住んでいます。

これまで、育児と職場、学校生活を並行しながら休まずに走ってきましたが、自分自身に「休息を与えたい!」という気持ちで、趣味を持つことにしました。そこで、かねてから興味を持っていたカリグラフィーを始めました。最初は趣味で始めたカリグラフィーでしたが、今は一番大好きなことになっています。

人生の喜び、悲しみ、楽しさなど、すべての感情を込めるカリグラフィーはまさに私自身のヒーリングであり、また、ほかの人のヒーリングにもなるとても素敵な仕事だと思っています。嬉しいことがある人にお祝いの言葉を、悲しいことがある人には慰労の言葉を、勇気を必要とする人に頑張れの言葉を、ありがたい人には感謝の言葉など、私の心の話と私の隣人の話など、すべての瞬間をカリグラフィーで表現できるので、私にとってはとても大事な作業であり、私が愛を与えることができる一番大きいことだと思います。

昨年、東京麻布十番にあるギャラリーで「ハングル、花咲く」を展示した後、韓国文化院に作品を寄贈しました。そのご縁で、愛媛大学で韓国語講師をしているチャン・ヨンスン先生から韓日交流会・「セモネモ」のワークショップの講師として愛媛県に来ることになりました。

実は私は日本語が一つも分かりません。独学で勉強しましたが、実際に現地(松山市)に着くと、一つも思い出すことができず、現地(松山市)の人の言葉が本当に速く感じられました。その時、外国人が「ゆっくり話してください。」と言う理由が、本当によく分かりました。すべてのものが不慣れで、ぎこちないものでしたが、韓国語を勉強している方々との出会いで、次第にリラックスして会話をすることができました。

初めて会った時、私は日本語ができないので、現地(松山市)の方々と観光することは難しいと思っていました。しかし、彼女たちはとても親切で、私がよく聞き取れるように、知っている単語を総動員して話してくださり、とても感動しました。また、事前に地域に対する情報や歴史などを調べておられ、丁寧に説明してくださったことで、観光地ごとの良さがよく理解できました。やがて、私たちは、観光しながら食事や写真を撮るうちに、最初のぎこちなさも消え、お互いに笑って楽しめる仲になりました。

彼女たちは韓国語を勉強していたので、お互いに共通点を探すため、色々な質問をしました。韓国語をなぜ習ったのか、趣味は何なのか、誰が好きなのか、その理由は何なのか…会話を交わすほど、もっと親しみが沸き、ぎこちなさが消え始めました。会話を通じて誰かについて一つ一つ知っていくごとに、人と人の間の壁がなくなり、近くなるように感じました。心の扉を開いて同じことを共有し、コミュニケーションが図れると、国と国籍、年齢を問わず友達になれることがとても幸せでした。

カリグラフィーワークショップを通じて「自分の感情と心を文章と道具を活用して表現すること。それがとても不思議で、楽しくて、幸せな作業だ。」と言われた時、講師として、ワークショップ司会者として、私の心が満たされるのを感じました。翌日ワークショップの参加者と出会った時も「家に帰る途中、道に落ちた木の葉っぱを拾って『この材料でカリグラフィーをするとどんな感じだろう?』と思ったのです。」という話を聞いて、とても嬉しかったです。また、ある参加者が「線描きの基礎過程を家で練習してみた。」と仰っていることを聞き、あらためて「これこそ、私自身がヒーリングを受けている。」という実感を得ることができました。

国と国籍、年齢に対する偏見をなくして、一つにまとまることができる作業は、これからすべての人々が幸せになるために大切なことではないでしょうか。私も、現状に甘んじることなく、もっと考え、研究して、より多くの人々が、易しくて面白く、一緒に幸せになれるプログラムを作りながら、それをみんなで共有できれば良いなと思っています。また、再び愛媛県に来る機会があれば、ぜひもっと多くの方にカリグラフィーを通して、ヒーリングを届けることができれば、と思っています。美しくて、静かで、ここにいるだけでも癒される愛媛。愛媛にいらっしゃる大好きな皆さんに、また会いに来たいです。

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