リレーコラム

リレーコラム

幸せを見つける道のり

グレスさん近影

PDF原稿(ふりがながあります)

誰もが成功したいと願っていますよね。でも、私はあなたに尋ねたい、あなたにとって大切なことは、幸せか成功か、どちらですか?

多くの人が成功を幸せに結びつけ、成功した場合にだけ幸せになれると考えがちです。誰だって幸せでハッピーでありたいと願うものなのに、現実にはそれがなかなか難しいですよね。でも、この日常の生活の中で幸せを感じることはできるはずなんです!

幸せかどうかを決めるのは、自分次第。他の誰にも、あなたを幸せにするパワーや義務なんてありません。でも普段、人はそれを忘れているのです。幸せとは、本来自分の内側から自然と沸き起こる感情であり、世間の評価や他人の価値観に縛られず、自分自身で幸せを見つけなければなりません。

誰だって失敗するのは好きじゃないし、カッコよくないと思っています。でもそうした経験こそが自分を鍛え、成長させてくれるということを、もうそろそろあなたも私も知っていいはず。ネガティブな経験を失敗で終わらせず、自分を変えていくためのきっかけとするのです。

あなたが過ごす毎日は、いい日よりも悪い日のほうが多い、なんて思っていませんか? 何をやってもうまくいかない「もう、今日は最悪だ!」という日を過ごしていても、途中で自分から笑顔になれる、そんな人は、幸せというものが自然に生まれてくるものではないということを知っているのです。

日本では「天から降ってくる」という言葉がありますが、幸せは天から降ってくる突然の出来事ではありませんし、宇宙からの贈り物でもありません。幸せとは、結果だけを見るのではなく、それに至るまでの道のりを選択することが大事なのです。

私は初めて日本に来た時、もちろん、さびしく感じたことがいっぱいありました。自分が生まれて住み慣れた国から遠く離れて、誰も知る人がいないこの新居浜に来た時、どうすればいいのか、本当にわかりませんでした。寂しいし、心細かった、国の家族や友達が恋しくてたまりませんでした。

高専で私が入った機械科のクラスは、女子が私を入れてたった二人で、彼女とは最初から仲良くなりましたが、その他のクラスメートには、挨拶をしても、返してもらえない時もありました。周囲の言葉を十分に理解することができないので、みんなと話をしたい、親しくなりたいのに、自分から話しかけることができず、ついつい消極的な態度をとっていました。教室に入って、彼女と席が離れると話し相手がなく、でもそう思われるのが恥ずかしくて、用もないのに携帯をいじったりしていました。しかし、このままではいけない、挨拶でも何でも、すぐに諦めてはいけない!と思い、自分から話しかけることはできなくても、明るく挨拶することを続けました。すると、クラスメートもだんだんと挨拶を返してくれるようになり、最近では、向こうから先に手を振りながら、全身で挨拶をしてくれるようにまでなりました。

そして、私はクラスで一番明るい男子に、勉強のわからない所を訊ね、教えてもらうようにしました。するとそこから友達の輪が広がり、全然別のクラスメートが私にわからないところを訊ねたり、勉強以外のいろいろなことも楽しく話せるようになりました。

私はいつも自分がハッピーでありたい。明るい笑顔で、元気な声で、こちらが気持ちのいい態度を続けていれば、いつか周りにも良い影響をおよぼすと思います。他の人のいいところを見つけて、真似して、また他の人が私のいいところを真似する、そんな輪が広がっていけばいいと思っています。

幸せは、天から降ってはこない、自分から引き寄せる努力をしなければならない、それも自分一人の幸せではなく、周りのみんなが幸せになれるために努力するのがいいと私は思います。不安に負けず、信念をもって頑張ることができれば、私はそれが幸せだと思います。

皆さんも、家族、恋人、自分の夢など、大切なことをぜひ見つけて、幸せに向かって努力して行きましょう!

(グレス・リュウ・フイ・リン (マレーシア))

 

※平成30年7月8日には、にいはま日本語の会の主催による『日本語学習者による第16回日本語スピーチコンテスト』が行われました。
受賞された4名の方々の作品を順次掲載します。なお、グレスさんは上級部門の2位に選ばれました。

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