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リレーコラムRelay column

リレーコラム

日本文化が好き

私が技能実習生として日本の愛媛県松山市に来て、今年の8月で三年になりました。
初めて日本に来た時のわくわくしていた気持ちはいまでもよく覚えています。私は日本のすべてのことに興味を持っていました。

最初は組合で1ヶ月ぐらい生活していました。組合の研修寮は静かな住宅街にあり、その近くの日本人の家にはいろいろな木を植えていました。柿やミカンが食べ頃をすぎていっぱい地面に落ちていました。
その時私は「どうして日本人は食べないのかな?」ととても不思議に思っていました。
その後会社の人に聞いてみたところ、日本人は果樹を植えるのは食べるためだけでなく、目で見て楽しむために植えているのもあるということが分かりました。そして日本人は庭の木をとてもキレイに手入れをしていて、枝の向きなども思いどおりに育つようにしています。
また、いろいろな花やかわいい置物なども玄関先に置いています。そういったこころやさしい風景は、私には、まるでそこには守神がやどっていて、その家族を見守っているように見えます。

それと、私は日本の一戸建が好きです。休みの時よく町の一戸建を見るために出掛けます。
「このお家はきれいですてきだね」、「このお家はロマンチックなデザインをしているんだね」「私もいつかこんな家を持つことができるかな」とかいろいろな思いをしながら一日小さな旅に出た気分を味わています。
時々道端で犬の散歩をしている人が犬のフンをゴミ袋に入れているのをみかけます。以前から日本人は他人に迷惑をかけないように行動すると聞いていましたが、ここまでするとは本当に驚きました。日本では中国と違って町を掃除する人がいません。でも犬のふんを持ち帰る人ようにみんなが自覚をもって町をきれいにしています。みんなで協力して住む環境を快適にするのはすごく良いことだと思います。

あと、私は日本の桜が一番好きです。日本の桜文化は世界的にも有名で毎年の3月から4月にかけてあちらこちらで桜が咲きます。先生の話によると、桜は暖かい日本列島の南から北に向かい桜前線が形成されていて、桜が好きな人の中には桜が咲く桜前線に沿って最後の桜まで追いかける人もいるそうです。日本人だけではなく、世界各地から観光客が花見をするために来日します。お花見は家族とだんらんするいい機会だと思います。桜の木の下にシートを敷いて座って美味しいお弁当を食べながら楽しい時間をすごす、私には最も日本的な風景です。桜が咲くシーズンになると私も大忙いです。私は会社の寮の近く松山城に行ってたくさんの桜の写真を取ってSNSでアップします。中国の家族や友人からは「きれい」、「うらやましい」、「日本に行ってみたい」などのメッセージをもらいます。その時、私は日本で生活することを本当に幸せに感じます。

三年間の技能実習生の生活ももうすぐ終りますが、日本のことは心から好きです。
今はもっと日本にいられるように延長の手続きをしていますが家族のみんなも私が日本で働くことを応援しています。いつか私の家族を私が暮しているこの町に呼んで、ここの生活や文化などをみせてあげたいと思います。きっと家族の皆んなも日本がすきになると思います。私はこれからもこの町で日本のいろいろな文化にふれながら生活していきたいと思います。

(段 暁玉/中四国経済交流事業協同組合/西田電気株式会社)

※令和2年度、愛媛県外国人技能実習生受入組合協議会では、県内の技能実習生を対象とした日本語作文コンクールを実施しました。
段さんの作品は奨励賞に選ばれたものです。(内容は原文のまま、掲載していますが、読みやすくするため、適宜、改行等の手を加えています。)
愛媛県中小企業団体中央会HP http://bp-ehime.or.jp/
なお、作品集は愛媛県国際交流協会でも閲覧することができます。

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